中継ぎ登板
すっかり身に付ける物も奥さんのチョイスに任せきりでして。しかし他人任せでも気に入って着る服、履く靴に成り得るんです、不思議。
それこそ、ウォーキング用にと買ってくれた靴がとても気に入ってたんですよ。
アディダスのスニーカー、甲の所を紐の代わりに通された短めのゴムが適度に締めて、指先にかけては伸縮性のある布地が優しく包み込む。足首に近いとこは軽く締めて、指付近は緩めて、とても履きやすかった。
しかしそこはゴム。避けられない経年劣化。
ある時気付いたら、ゴム切れとる。
一気に外れはしないも、締めつけも緩い。
そしてもう片方も切れかけ…。部品の形状から、替えが利かないみたい。参ったなと。ゴムを外してしまったはいいが、代替が無い。
靴紐買ったらいいやん!と嫁。
確かに。確かにそうなんですよ。しかしなんかこう、スッと動けないモヤモヤ。
『紐に頼らない、足滑らせるだけですぐ履けてかつ適度に締めてくれる感触が良かったんじゃないか』と感傷に浸るかどうかの刹那、『とりあえずコレ、しいな』と嫁が手に持って来たのがまさかのつづり紐。
デスクワークした事ある人にはお馴染みの、書類に開けた穴に通して縛る、あの紐。
いや靴やし。書類整理ちゃうぞと。
天下のアディダスのスニーカーにダイソー如きのつづり紐を通すとか、考えろと。こんなもんすぐ解けて、擦れて、切れるに決まってるわ!
と予想したんですが、120%のパフォーマンスを発揮、全く解けない現実に困惑中。
切れた所で『ほらな?』と言いながら格好いい靴紐にシフトしようと思ったのに、バチバチにホールドするんですね、日本のダイソーが。
さすがに前みたく足を滑らせてスッとは履けないけれども。歩くたびに『つづり紐て…』『しかし強いなコレ…』のループ。
渋谷のJKあたりが、つづり紐マジヤバイ最高とか言いだすのを待ちたい。