アルコール争奪戦…は、そこに無し

人様に向けて、心から『わぁ…優しい…』って思うこと、言うこと、年間通して何回有るかな…と。

ふと通り掛かった、小さな食品企業(業務用の仕出し屋さん)に張り紙が。

 

『アルコールあります』

 

と。要は『企業で使う用の消毒用アルコールをご家庭にお分けしますよ、そのかわり容器は持って来てね』と。何にビビるって…価格設定が。

100ml、100円。

 

いやホント、逆に頭おかしいのかなって…(令和始まって以来最大級の褒め言葉)

こんなもんメル○リなら、入札パンクしますよ。

何度見したかな。何これは?マジ?と。

アルコールを譲る旨、価格と商品名、食品加工の中で使うアルコール故、安全性が高い旨なども記載。

 

また異様なのが、人通りの少ない路地裏エリアで。不気味なぐらい張り紙を皆んな素通り(笑)

街のドラッグストアでは毎朝行列出来てんのに、その工場には誰一人並ばない。(ヘタに見つからないというか)この世の中にあって、正真正銘の価格破壊を目撃した。

後日、容器を準備してその小さい町工場へ。

 

ちょうど従業員さんが出てきて、腰の低い人。わかったのは社長か、その後継の息子さんらしい。

『あのー、アルコールを譲って頂けるとお見かけして、お願い出来ますでしょうか…?』

 

『ありがとうございます!大丈夫ですよ!このボトル一杯ですね!かしこまりましたー』と奥に消える若社長。領収書付きで終始、丁寧なご対応。

 

本当にもう金も時間もコロナ滅殺も叶うならね、

不要不急のパーティーを夜通し開いて、社長の出し巻き卵を全て買い占めてやりたいとすら…。

 

無論、譲り受けたアルコールは見事にアルコール。何の問題も無く、有り難く使わせて頂いてます。

工場の在庫までは分かりませんから、人に言い触らす物ではないなと思いながら、同年代の子供がいるウチの社員にこっそり教えて。

彼女が買った日に夕方工場を通り掛かったら、地域に向けたアルコール譲渡の告知こと、愛の張り紙が剥がされてました。

予定してた量のアルコールを譲りきったのだろう。

ローカルレベルで小さな事ですけどね、色んな人が居て、色んな優しさが其処彼処に在るんだなと。

 

久しぶりに人の善意に純粋に感動した気がする。

文字通り、感情が動かされた。感動。